【完】淡い雪 キミと僕と
「アンタは理由もなければプレゼントも受け取ってくれやしないからな。
たまにはいいだろう。」
「それにしても多すぎだよー…うえぇーん…
わたしも西城さんにプレゼントがあるけどーひとつしか用意してないのにーうえぇーん」
そう言って、彼女は俺へのプレゼントを差し出した。
中からは、とても可愛らしいスニーカーが出てきた。
心にホッと灯りがともるような温かさを感じた。数の問題ではなく、美麗が俺を想い一生懸命選んでくれたその時間が何よりも嬉しい。
「とても嬉しい…美麗が選んでくれたものであるのならば何でも嬉しいんだ。
スニーカー高かっただろう」
「何言ってんのよー。西城さんのプレゼントの方がずっと高価じゃないーもう涙が止まらないよー…うぇーん」
なんて幸せなクリスマスだ。’ケーキもあるよ’、と言いたかったが、それよりも早く美麗に触れたかった。とてもじゃないが、我慢が出来なかった。
押し倒し、着ていた浴衣の帯に手を掛けようとした時だった。
美麗が立ち上がり、はだけた浴衣を綺麗に戻した。
なッ、この期に及びまだ俺を拒絶すると言うのか?!それはねぇよ…。この3日間会えなかっただけでも相当我慢をしたというのに…。
けれど座り直した美麗は、頬を少しだけ赤くしかしこまり小さな唇を結んだ。