【完】淡い雪 キミと僕と
「まぁその美麗がパタリとSNSの更新を辞めて。つーかアカウント削除して
まぁ敗けを認めたかって感じで可笑しくて」
何に対しての勝ち負けなのだろうか。全く女つー生き物は理解不能を通り越して、実に下らなく、面白い。
「友理奈ちゃん、美麗ちゃんの友達じゃないの?」
根本はそこだ。
女同士は友達と言いながらも、ここまで陰口を叩けるものなのか。
友理奈は口角をゆっくりと上げ、ニヤアと嘲笑って、俺の顔を覗き込んだ。
「友達っちゃ友達だけど。あの子だってあたしについてきたら良い事あるって計算してついてきてんじゃないの。
少しくらい可愛いからって身の丈つーのが分かっちゃいないのよ。まぁ最近はそういうの分かってきて、あんまり港区で遊んでいないみたいだけどね」
「へぇ、そうなの」
黙って足を開いていればいいだけ。
美しさという賞味期限がある君の期間内で。
惜しみなく、身体という価値だけ差し出しておけばいいこと。後の事はどうなろうと知ったこっちゃない。
そうか、けれどこの女の言葉で、美麗と出会ったばかりの頃の事を少しだけ思い出した。
花のように笑う、張り付けられたあの仮面のような下手糞な笑顔を。