【完】淡い雪 キミと僕と
「お父様は会社の社長さんをやってらっしゃると、お母さまは普通の専業主婦ですね。
良いお嬢様学校を出て、大切に育てられたようですね。
社会人になってからの事も失礼ながら調べさせてもらいました。
数々の有名企業の男性と関係を持っていたようで」
「関係って!」
言った後押し黙る。
…確かにわたしが港区で男漁り紛いの事をしていたのは事実だ。
体は預けてはいないが、タクシー代といい金銭や高額なプレゼントを貰っていた事も隠しようのない事実。
全くの潔白とは言えない。これ程までに港区で調子に乗って遊んでいた事を後悔した事はないだろう。
そんなのこの人はとっくに調べ済みなのだろうけど。
「確かに…過去にはそういった方々とお会いしていました。けれど関係と言っても…お付き合いをしていたりその延長線上のような付き合いはありません。
けれど調べ上げたのならばその過去は紛れもなくわたしの過去ではあります。
その件に関して言い訳のひとつもするつもりはありません。ですが、今わたしが大輝さんと真剣に付き合っているのも事実です」