【完】淡い雪 キミと僕と
「それじゃあ俺たちは永遠に離れる事が出来ないな…」
「あぁ…不覚。不覚だわ…。まさかアンタのような男をここまで好きになってしまうなんて。
この先の人生アンタみたいな男に一生粘着されながら生きなくてはいけないなんて…」
「美麗、好きだ」
「わたしも自分で呆れるくらい、あなたが好きよ――」
わたしはあなたの事が大嫌いだった。
神様がもしいるのだとしたら、あなたと出会わない時間まで巻き戻してもらい、あなたと出会わない世界線を歩くつもりだった。
けれどもしかすると、神様は雪だったのかもしれない。と思う今日この頃。雪がいなければ、この繋がりは再び結ばれる事はなかったのかもしれない。
小さかった雪。
みずぼらしい子猫だった雪。
わたし達の下へやって来てくれた、何よりの贈り物。
「にゃああああああんッ」
実家から帰って来て、直ぐに西城さんはわたしをお姫様抱っこしてベッドまで運んだ。
’無視された!’とでも言いたげに雪は不満そうに鳴き声を上げて、不満を力いっぱいぶつける。
体重は4キロに到達しようとしていた。最近じゃあ、寝ている西城さんのお腹の上に乗っかると、彼はうなされているかのようにうわ言を上げるようになっていった。
それもこれも、全部わたしのせい。可愛いからと言ってついつい甘やかし、おやつをあげすぎた。このままではデブ猫まっしぐらの未来しか見えない。