【完】淡い雪 キミと僕と
「わたしのお土産はあなたに任せるわ…。あなたから貰える物ならば何でも嬉しいもの…」
素直じゃないくせに、時たますごーく素直になったりする瞬間がある。それが堪らなく可愛いから、そんな姿はたまにで良い。毎日だったら俺の心臓が持たなそうだ。
「毎日電話してね」
「あぁ。」
「北海道に可愛い子がいたとしても浮気しないでね?」
「アンタこそ俺がいないからといって遊び回らないようにな」
「そんな事しないもんッ。わたしは!」
「何を?!それじゃあ俺がまるでそういう事をするような人間ではないかッ!」
「元々はそういう人間でしょう」
だから、アンタはまた………。
美麗の髪の毛を掻き分けて、おでこに軽いキスを落とす。
真っ赤になってこちらへ大きな瞳を揺らす。いつまで経っても新鮮な反応が実に可愛らしい。
「俺の心も体も全ては美麗の物だ、光栄に思え」
「もうッ!だから何でアンタはそんな言い方しか出来ないのッ!いちいち偉そうなのよッ!」
意地悪をしたくなるのも、口が悪くなるのも、全て君が好きだからだ。この性格は一生直りそうにはない。
けれどたまには甘い言葉をあげるから、君もたまには素直になって甘えてくれ。
君と一緒ならば、どんな未来でも笑っている気がする。お互いを鏡のように映して。
「大好きだよ、美麗」
お腹に乗っている雪は幸せそうに眠りながらも、俺たちの言葉へ耳を傾ける。
盗み聞きとはいやらしいぞ?お前にもきっと言いたい事があるのだろう。ミャーやニャーという意味のない単語しか吐けぬお前の今の言葉を訳すと
’ボクも美麗ちゃんだ~いすき’だろう?気が合うな。本当にお前が家に来てくれて良かった。