【完】淡い雪 キミと僕と
「あ、あ…おかえり。帰ってたの。すっかり寝込んでしまったわ…」
「おい!久しぶりに会えるつーのに冷たいな!アンタは相変わらず。
普通1か月ぶりに会った大好きな彼氏を迎える時は、ただいまぁ~あなた、ご飯?お風呂?それともわたし?だろ?!」
何だその理論。
大きな欠伸をして、彼の言葉を聞き流すと、またピーピーギャーギャー騒ぐのだ。うるさいったらありやしない。
けれど、西城さんの声を久しぶりに聞いた雪はとても嬉しそうにミャーミャー彼の足元で騒いでいた。
…いつもの日常が戻ってきた。けれど何だか照れくさくって、やっぱり素直に嬉しさを表現出来ない。…わたしって本当に素直じゃないの。
「久しぶりに会ったというのにうるさくって仕方が無いわよッ!」
「なんだアンタ!それが大好きな彼氏に対する言葉か?!」
「ねぇ!自分で大好きな彼氏とか言ってて恥ずかしくなんないの?!
大体この1か月はとっても平和だったわよ!小うるさいアンタもいなくて雪と毎日平和に過ごしていたって言うのに
帰って来て早々騒がないで頂戴!」
「アンタには土産はやらん!!!!」
両手いっぱいに袋を抱えている。…どれだけお土産を買ってきたと言うのよ。あれほど買いすぎるなと言った筈だ。
テーブルに乱暴にそれを置くと、彼はひとつひとつを子供みたいに紹介した。