【完】淡い雪 キミと僕と
「これは美麗ママにだ!
北海道の名産のお菓子を10個ほど!」
「はぁ?!アンタ、ママを豚にする気?!」
「アッハハハハハ、もうすでに豚ではないか。
そして美麗パパには約束の蟹とジンギスカンを買って来た。それは冷凍にして実家に送り付けてある」
…どんだけの量を買って来たかとても不安よ…。
「これはな、夢かぐらオリジナルティーシャツだ」
彼が自慢げに両手に抱える黄色のティーシャツ。…何コレ。ぶっさいくな動物が描かれているお世辞にも可愛いとは言えないデザイン。
それが2枚。
…まさかアンタ、わたしとペアで買ってきた訳じゃないでしょうね?わたしは御免よ。そんなダサいティーシャツを着るのは…。
「これは琴子と井上晴人に買ってきた」
…うわぁ、可哀想。
「素敵だろう?この絵は西門さんのオリジナル作品で、夢かぐらでも一押しのアイテムらしい」
…西門さんには悪いけど、絶対に売れ残りだと思う。
「隼人にも温泉まんじゅう買ってきた。まぁあいつはこんなもんでいいだろう。
それと……」
「あら、これ素敵ね。ペアのグラス?」
そこには、ガラス細工で出来た可愛らしい青とピンクのグラスが並んでいた。
「近くの町でガラス細工の有名な所があった。これは俺の手作りだ。」
「え?!アンタが作ったの?!」
「そうなのだ。休日は西門さんが近くの観光名所に連れて行ってくれた。
そこでガラス細工工場の見学をして作った。上手だろう?才能があるって言われた。是非うちの工房に来ないかと誘われたもんだ」