【完】淡い雪 キミと僕と
例外に漏れず、わたしもそのひとりだった。
けれど、彼の周りにはわたしのような考えを持った女たちがハイエナのように群がっていて、どうにも近づけそうにはなかった。
しかし奇跡は起きてしまったのだ。
共に港区で遊んでいた読者モデル上がりの友理奈は交友関係が広く
どこか外国の血が混じっているハーフで、とても人目を惹く容姿端麗な女性だった。
性に対しても奔放な性格で、〇〇企業の社長とヤッた、とか某有名俳優がセフレだとかよく口にしていた。
それが虚言か事実かはどうでも良いのだが、とにかく彼女は西城大輝とも繋がりを持つような人物だったのだ。
それをきっかけに、わたしは彼と話す接点を設けられた。
「山岡美麗です」
初めて挨拶をした時
彼がわたしへ見せた微笑みは忘れる事が出来ない。
どこか品があり優し気であり、けれど瞳の奥は冷たい。不思議な男だった。
「初めまして、美麗ちゃん。
西城大輝です」
舞い上がっていたかもしれない。
話は盛り上がっているかのように思えた。彼もよく笑っていたし、楽しそうに話に耳を傾けてくれた。
今にして思えば社交辞令だったとしか思えないんだけど、一緒に食事でも行こうと言ってくれて、美味しいワインのあるお店があるんだ、と優し気な瞳で言ってくれた。
そして少し思いあがっていたところもあると思う。