【完】マイルドビター


一時は別れる別れないの話し合いをしていたけど、結局出て行こうとしたところを力ずくで引き止められ、ずるずると関係は続いてしまうことになった


そして二度目、あたしが足を怪我して入院していたときだ。


弘樹は、あの時の女の子と連絡をとっていた。

それも、あたしがいないのをいいことに待ち合わせして出かけようとかいう内容だった。

追及しても、弘樹はただ『違う、本当に会ってない、そりゃ少しは話しちゃったけど、会ってないよ、日向だけ。信じて』と言っていたけど、そこで完全に愛は冷めてしまい、弘樹から別れを告げてくれるまで、あたしはずっと嫌な態度を取り続けた。


毎日一緒に入っていたお風呂は弘樹が仕事から帰ってきてしまう前に入るようになった。

二人暮らしするときにかったダブルサイズのベッドを弘樹に譲り、あたしはリビングに布団を敷いて寝るようになった。

出かけるときいつも繋いでいた手は財布と携帯でふさいで、なるべく離れて歩いた。


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