純白の華は闇色に染まる


ある日突然母さんが壊れた。

俺が帰ってきた瞬間、包丁が飛んできたんだ。
驚いて声も出なかった。

リビングに行くとそこは

赤。だった。

それが誰の血なのかすぐにわかった。

母さんのだ。

包丁を振り回し、泣き叫ぶ。

「あんたの泣き叫ぶ姿が見たかった。」

「感情を失うくらいにあんたを追い詰めたかった」

「あんたを苦しめたかった。」
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