腕まくりしたアナタ


「んじゃ、また後でな。美愛。」






「うん。」






海里さんは、私の頭にぽんっと手を置き、部活仲間のいる方へ歩いていった。






「そういえばさ、美愛。今日は部活ないの?」






「あーうん。本当なら大会も近いし、やりたいところなんだけど、明日学力テストあるじゃない?学校内の。」






「あるねぇ、でも1ヶ月に1回はあるじゃん、いつも。」






陽香は、首を傾げながら、答えた。





「うん。なんか、この時期のテストは3年生にとって、進路を決めるのに重要らしくてさ。」






「あ〜なるほどね。それで休みなのか!」






「そうなんだよね。木内先生が配慮してくれたみたい。」






木内先生とは、男子バスケ部の顧問の先生。






26歳という、この学校では一番若く、おまけにイケメンで頭も良いと、女子生徒の中では大人気の先生。









「てか、海里さんは勉強しなくて大丈夫なの?」






「私も聞いたの。そしたら、『今日詰め込んだ所で、変わんないよ。それに、毎日やってるし!』って、ドヤ顔しながら言ってた。」






「さ、さすがだわ…」






陽香と2人で苦笑いしながら、その後も世間話をしながら、陽香とは途中で別れ、私は自分のクラスへと向かった。




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