【女の事件】とし子の悲劇・2~ソドムの花嫁
第11話
その頃であった。

アタシはデリヘル店の待機部屋にいて、いつでもお客様の元へ行くことができるように待機していた。

アタシは、サックスブルーのブラジャーとショーツ姿で鏡に向かって、メイクをしていた。

待機部屋のテレビの画面は、お昼の『バイキング』が映っていた。

生放送の途中でFNNニュースに変わった。

アタシはこの時、JR栗林駅の近くの4階建てのテナントビルの4階の弁護士事務所に刃渡りのするどいナイフを持った男が弁護士事務所にいたスタッフさん5人を人質に取って立てこもった事件が発生したことを聞いた。

ニュースで、容疑者の名前が伝えられた。

こともあろうに、立てこもった事件の容疑者はけいさくであった。

アタシは、ひどく動揺していた。

ところ変わって、JR栗林駅の付近の通りにて…

事件現場付近に香川県警のパトカーがたくさん停まっていた。

刑事たちやSAT隊員50人が突入に備えて待機していた。

けいさくは、香川県警に対して『カネと車を用意して、婦警ひとりを連れてこい!!』と要求した。

警察は、すみやかに人質全員の解放を求めていた。

けいさくは『オレの要求を受け入れたら解放してやる!!』と言うて、かたくなになっていた。

事件発生から17時間が経過した。

県警はガマンの限度を大きく超えていたので、SAT隊員50人を一斉にビルに突入して容疑者の身柄確保後に排除することを決めた。

そして、SAT隊員たちがビルに突入した。

けいさくは、ワーッとさけびながら刃物をふりまわしてSAT隊員に向かって行った。

その時であった。

(ズダダダダダタ!!バーン!!バーン!!)

SAT隊員が一斉にマシンガンを発砲してけいさくを撃った。

けいさくは、ボロボロに傷ついて倒れた。

人質になっていた事務所のスタッフさん5人は、全員無事に救出された。

けいさくは、SAT隊員50人に撃ち殺されたあと、刃渡りの鋭いナイフでズタズタに切り裂かれた。

ダンナの家やダンナの実家は、けいさくが起こした立てこもり事件が原因で、キンリンの住民たちからいびつないじめを受けるようになった。
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