【女の事件】とし子の悲劇・２～ソドムの花嫁

第18話

９月３日頃のことであった。

オレンジタウンとその周辺の地域は、緊迫した空気に包まれていた。

この時、いつサイアクの事態が起きてもおかしくない状況下にあった。

落書きだらけのダンナの家に、香川県警の捜査１課の刑事50人がいて、家宅捜索を始める準備をしていた。

午前９時の時報と同時に、香川県警の捜査１課の刑事のひとりが玄関のドアを大金ヅチで叩きこわした後、家の中にワーッと一斉になだれ込んだ。

ダンナは、きちがいの状態になっていたので突入してきた香川県警の捜査１課の刑事たちに殴りかかって行った。

この時、10人の刑事たちがサスマタなどでダンナをカベに押さえつけた。

「離せ!!離せ!!」

その間に、残りの40人の刑事たちが家宅捜索をしていた。

この時であった。

「課長!!奥の部屋に危険ドラッグを発見しました!!」
「よし分かった!!しゅうさくを即刻逮捕せよ!!」

香川県警の刑事20人が、ダンナを取り押さえて逮捕した。

ダンナは、危険ドラッグを隠し持っていた上に使用した跡がはっきりと残っていたので、香川県警に逮捕された。

それから２時間後のことであった。

ところ変わって、高松市丸ノ内にある裁判所の前にて…

アタシの両親とダンナの両親は、話し合いができなくなったので、とうとう訴訟ザタになった。

裁判所には、公判の日取りを決めるための手続きに行った。

裁判の日取りは決まったが、肝心な争点を決めていなかった。

そんな時に、事件が発生した。

(キーッ!!バタン!!ドカドカドカ!!)

この時、黒のキャデラックが停まったあと中から４～５人のチンピラ連中が出て来た。

チンピラ連中は、アタシの両親とダンナの両親の前に行った。

この時、チンピラのひとりがトカレフを出して、ダンナの父親とアタシの父を撃ちつけた。

(ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!)

やくざの男たちは、再びキャデラックに乗り込んで、その場から逃走した。

「ああ…しゅうさくさんのお父さま!!」
「あなた!!あなた!!」
「苦しい…助けてくれ…」

この時、ダンナの父親が亡くなった。

アタシの父は、ドクターヘリで三木町の医大病院に救急搬送されたが心肺停止の状態におちいった。

ところ変わって、三木町の医大病院にて…

アタシの父は、緊急のオペを受けるために手術室に運ばれた。

「あなた!!あなた!!しっかりして!!あなた!!」
「とし子さんのお母さま!!落ち着いて!!」

病院に駆けつけてきた武方さんは、気が動転しているアタシの母を必死になだめていた。

手術室のドアが閉じて、手術中のランプが灯った時、母は悲しみに暮れていた。

武方さんは、ひどく悲しんでいる母に『大丈夫だよ…』と優しく声をかけていた。

その頃であった。

ダンナの弟のゆうさくがソープの女のことをめぐって、やくざの男に焚き付けて行ったことが発覚した。

ダンナの父親とアタシの父を撃ち殺したヤクザたちは、高知市内にあるヤクザ組織のシャテイたちであった。

事態は、さらに深刻な状況におちいった。