【女の事件】とし子の悲劇・2~ソドムの花嫁
第22話
5月7日から8日の深夜にかけて家庭内で発生した怪事件を境に、家庭内の人間関係がおかしくなった。

ダンナは、社内旅行でシンガポールへ行く日が迫っていたので、旅行へ行くことを楽しみに働いていた。

そんな中で、あいこちゃんがアタシにじゅんきくんと仲良くできないことを何度も繰り返してアタシに言うていた。

アタシは『お兄ちゃんは大学内に好きなカノジョがいないので、気持ちがイライラしているだけよ…』と言うしかなかった。

ダンナが家庭のことに無関心になっていたので、日増しにアタシのいらだちが募っていた。

お願いだから…

じゅんきくんとあいこちゃんの間で発生した深刻な問題に真正面から向き合ってよ…

仕事仕事と言って…

家庭のことから逃げないでよ!!

ダンナは、日増しに家庭のことに無関心になっていた。

そのことが原因で、取り返しのつかない非常事態が発生した。

事件は、5月19日の深夜11時頃に県道197号線のまんのう大橋の下で発生した。

この日、じゅんきくんは大学の仲間と遊びに出かけていて、家にまだ帰っていなかった。

じゅんきくんは、どこまで行ったのかしら…

ダンナは、シンガポールへ社内旅行に行っているので、連絡がとれない…

事件現場のまんのう大橋の下で、恐ろしい事件が発生した。

「ああ!!苦しい…助けてくれ…頼む…」

(ゴツーン!!)

じゅんきくんは、夜遊び帰りにひとりでふらりと立ちよった土器川の河川敷の公園でやみうちに遭った。

犯人の男に、刃渡りの鋭いナイフでわき腹を刺されて倒れたあと、金具がついたくつで後頭部を思い切りけられて、意識不明の重体におちいった。

日付が変わって、5月20日の深夜1時過ぎのことであった。

事件現場に、香川県警のパトカーがたくさん停まっていた。

捜査1課の刑事たち70人前後が、現場検証をしていた。

事件現場には、物的証拠や容疑者につながる指紋などの手がかりがなかったので、捜査が難航するようだ。

香川県警の発表によると、容疑者は事件を起こした後、凶器とショウコを消し去った恐れがあると言うてた。

じゅんきくんは、救急車で丸亀市内の救急病院に搬送された後、緊急のオペを受けることになった。

アタシとあいこちゃんは、ケーサツからの知らせを聞いて、病院にかけつけた。

気持ちが動転しているアタシは、多度津の四国化成の工場に電話をして、ダンナを呼び出してほしいとお願いした。

この時、あいこちゃんが『何でおとーさんの職場に電話するのよ!!』と言うてアタシにすごんで来た。

困り果てたアタシは『おとーさんに電話をして、お兄ちゃんが通り魔事件の被害に遭ったから、急きょ帰国をしてほしいと会社にお願いをしているのよ!!』と怒った声で言い返した。

そしたら、あいこちゃんはアタシに『アタシは、お兄ちゃんからシツヨウに犯されたのよ!!どうしてレイプ魔をヨウゴするのよ!?』と激怒した。

アタシは、それを聞いて顔が真っ青になった。

あいこちゃんがじゅんきくんからシツヨウにレイプされたことを聞いたアタシは、大急ぎでまんのう町の自宅に帰った。

ところ変わって、まんのう町にある自宅にて…

じゅんきくんの部屋に入ったアタシは、じゅんきくんの部屋のクローゼットを開けて調べた。

そしたら…

ボロボロに汚れているあいこちゃんの衣服やパジャマや下着が大量に入っていた…

それを見たアタシは、顔が真っ青になった。

クローゼットの中にあったあいこちゃんの衣類は、全部ボロボロに汚れているか大きく破損しているものばかりであった。

特に、下着類はひどかった。

インナーはズタズタに破れて、ブラジャーは後ろの金具が大きく壊れていた…

他にも、ガムテープやスタンガンなどの凶器も大量に見つかった。

それを見たアタシは、ドカーンと爆発した。

もうだめ!!

ガマンの限界だわ!!

じゅんきは、あいこちゃんに対してシツヨウにレイプしたことが分かったから…

ダンナを殺して、アタシも自爆してやる!!

怒り心頭になっているアタシは、握りこぶしをギュウと作って、ワナワナと震えていた。

ダンナが帰国したのは、翌日の昼前のことであった。

大きめのスーツケースを持っているダンナは、疲れた表情で帰宅した。

「とし子!!今帰ってきたぞ!!」

怒り狂っているアタシは、帰って来たダンナに『あんたなに考えとんかしら!!』とすごんで行ったあと、ダンナの腕を引っ張ってじゅんきの部屋へ連れて行った。

ところ変わって、じゅんきの部屋にて…

「うわっ…何だこれは!?」

じゅんきの部屋に入った時、ダンナは恐ろしい光景を見たので、顔が真っ青になった。

「何なのだこれは一体!?」
「あんたのせがれが妹を犯していたショウコよ!!しかも、アタシとあんたの知らないところでコソコソコソコソコソコソコソコソ…どういうわけなのかしら!?」
「信じられない…」
「あいこちゃんが着ていた衣類がボロボロに汚れたり破損したりしていたのは、この最近じゃないわね!!あんたの無関心がよく分かったわよ!!あんたのせいで、じゅんきはレイプ魔になったのよ!!」
「だまれ!!」

(ピシャッ!!ピシャッ!!)

ダンナは、アタシの顔を平手打ちで思い切り叩いた後こう言うた。

「もういっぺん言ってみろ!!」
「レイプ魔じゃなかったら何なのよ!!虫ケラ野郎!!」
「とし子!!」
「あんたは最初から育児する資格なんかなかったのよ!!」
「何だと!?」

ブチキレたアタシとダンナは、ドカバキの大ゲンカを起こした。

ふたりとも、顔に大きな傷を負った。
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