【女の事件】とし子の悲劇・2~ソドムの花嫁
第30話
その頃、アタシは高松市内のデリヘル店の女のコの待機部屋にいて、いつでもお客さまの元に行くことができるように準備を整えていた。
ブロッサムピンクのブラジャー・ショーツ姿のアタシは、鏡の前に座って、メイク落としがしみこんでいるコットンでメイクを一度落とした後、新しいメイクをつけていた。
ダンナ…いえ、章平の元から逃げ出して7ヶ月になるが、アタシの気持ちは今も落ち着いていない。
あいこちゃんがレイプされた事件は、恐ろしい覆面をかぶった男が章平であるが、じゅんきが放火で焼死した事件は、解決していなかった。
もうひとつ気になるのは、あいこちゃんのお母さまのことである。
あいこちゃんとこうきが結婚して以降、どこかに身を隠して暮らしているに違いない…
一体、どこへ行ったのか…
もしかしたら…
じゅんきが放火で亡くなった事件も…
その前に、土器川の河川敷でじゅんきが通り魔に遭った事件も…
あいこちゃんのお母さまが関係しているかも…
まさか…
アタシは、ほがそ(ぐちゃぐちゃ)の髪の毛を右手で思い切りかきむしった後、リップをつけなおしていた。
1月29日のことであった。
あいこちゃんが産婦人科の受診に一度も行ってなかったことが明らかになった。
アタシは、空いている時間を利用して坂出市谷町にある産婦人科医をたずねた。
場所は、JR坂出駅の南口から歩いて5分のところあった。
「ここね。」
ところ変わって、産婦人科医にて…
アタシは、受付の人に先生を呼んでくださいとお願いした。
診察室にて…
アタシは、男性医師にあいこちゃんのことについて聞いてみた。
男性医師は、あいこちゃんが6ヶ月検診に来ていなかったことを話した。
「6ヶ月検診に来ていないって…それ、本当のことですか!?」
「ええ…」
「最後にこちらに来られたのは、いつ頃ですか!?」
「さあ、おぼえてないなぁ~」
「そうですか…」
あいこちゃんは、例の一件が原因で出産する意志がなくなったとアタシは思った。
病院を出たアタシは、坂出駅から快速マリンライナーに乗って、高松へ引き返した。
アタシは、赤茶色のバッグからスマホを取り出して、イヤホンで音楽を聴いていた。
イヤホンから、大下香奈の歌で『哀しみのサンバ』が流れていた。
アタシは、同じ曲をくり返して聴きながらこんなことを思った。
もしかしたら…
あいこちゃんは…
抱え込むだけ抱え込んでいたと思う…
もう危ないかもしれない…
アタシの不安は、日増しに高まって行くばかりであった。
ブロッサムピンクのブラジャー・ショーツ姿のアタシは、鏡の前に座って、メイク落としがしみこんでいるコットンでメイクを一度落とした後、新しいメイクをつけていた。
ダンナ…いえ、章平の元から逃げ出して7ヶ月になるが、アタシの気持ちは今も落ち着いていない。
あいこちゃんがレイプされた事件は、恐ろしい覆面をかぶった男が章平であるが、じゅんきが放火で焼死した事件は、解決していなかった。
もうひとつ気になるのは、あいこちゃんのお母さまのことである。
あいこちゃんとこうきが結婚して以降、どこかに身を隠して暮らしているに違いない…
一体、どこへ行ったのか…
もしかしたら…
じゅんきが放火で亡くなった事件も…
その前に、土器川の河川敷でじゅんきが通り魔に遭った事件も…
あいこちゃんのお母さまが関係しているかも…
まさか…
アタシは、ほがそ(ぐちゃぐちゃ)の髪の毛を右手で思い切りかきむしった後、リップをつけなおしていた。
1月29日のことであった。
あいこちゃんが産婦人科の受診に一度も行ってなかったことが明らかになった。
アタシは、空いている時間を利用して坂出市谷町にある産婦人科医をたずねた。
場所は、JR坂出駅の南口から歩いて5分のところあった。
「ここね。」
ところ変わって、産婦人科医にて…
アタシは、受付の人に先生を呼んでくださいとお願いした。
診察室にて…
アタシは、男性医師にあいこちゃんのことについて聞いてみた。
男性医師は、あいこちゃんが6ヶ月検診に来ていなかったことを話した。
「6ヶ月検診に来ていないって…それ、本当のことですか!?」
「ええ…」
「最後にこちらに来られたのは、いつ頃ですか!?」
「さあ、おぼえてないなぁ~」
「そうですか…」
あいこちゃんは、例の一件が原因で出産する意志がなくなったとアタシは思った。
病院を出たアタシは、坂出駅から快速マリンライナーに乗って、高松へ引き返した。
アタシは、赤茶色のバッグからスマホを取り出して、イヤホンで音楽を聴いていた。
イヤホンから、大下香奈の歌で『哀しみのサンバ』が流れていた。
アタシは、同じ曲をくり返して聴きながらこんなことを思った。
もしかしたら…
あいこちゃんは…
抱え込むだけ抱え込んでいたと思う…
もう危ないかもしれない…
アタシの不安は、日増しに高まって行くばかりであった。