【女の事件】とし子の悲劇・2~ソドムの花嫁
第33話
そして、章平の実家は家庭崩壊へ向かった。
あいこちゃんに離婚届を書かせたこうきは、家にキャバの女のコを連れてきて、武方さんとおじさんの前で『あいこに離婚届を書かせた…あとは保証人のひとを頼むだけになったから…』と言うて、あいこちゃんとの離婚が確定したら婚姻届に保証人の名前を書けと武方さんに凄んだ。
章平の父は、部屋のすみでいじけていた。
その頃であった。
アタシは、あいこちゃんと一緒に坂出市役所にいて、こうきから突きつけられた離婚届を出した。
保証人の名前は、アタシの名前で署名になっている。
市役所の職員さんは『残念でしたね…』と声を落として言った。
市役所のロビーのすみでは、こうきとキャバの女のコがアタシとあいこちゃんをニヤニヤとした表情で見つめていたので、アタシは『サイテーね…』と冷めた表情でこうきとキャバの女のコをにらみつけた。
このあと、こうきはキャバの女のコと再入籍をした。
ところ変わって、JR坂出駅にて…
アタシは、快速マリンライナーに乗って高松に帰る予定である。
駅のプラットホームで、電車を待っているアタシとあいこちゃんはこんな会話をしていた。
「あいこちゃんは、これからどうするのよ?」
「これから、財田(三豊市)へ行きます。」
「財田に、知ってはる人はいるの?」
「母の実家が財田にあるのです。」
「お母さまの親類に助けを求めるのね。」
「ええ。」
「よく分かったわ…話し変わるけど、お母さまとは、連絡は取れているの?」
「ううん。」
「そう…アタシ、これから高松へ帰るわよ…あいこちゃんは、うんと遠くへ逃げるのよ。」
「そうします…財田の家に行った後は、うんと遠くへ逃げます…母方の遠い親せきの家がうんと遠くにあるので、そこからまたうんと遠くへ逃げます…とし子さん、いろいろとお世話になりました。」
「元気でね。」
その後、アタシは快速マリンライナーに乗って、高松へ帰った。
あいこちゃんは、下りの観音寺行きの各駅停車の列車に乗って、財田へ向かった。
アタシとあいこちゃんが坂出駅から出発した時であった。
こうきとキャバの女のコは、再婚するために婚姻届けを窓口に出した。
しかし、女のコの戸籍抄本が坂出市内になかったので、婚姻届けを受理してもらえなかった。
あいこちゃんとこうきの離婚届が受理されていたことを聞いた武方さんは、オタオタした表情で窓口の職員にあいこちゃんとこうきの再入籍をお願いした。
しかし、あいこちゃんが再婚保留期間であることを理由に職員からキャッカされた。
困り果てた武方さんは、アタシがいる天神前のローソンへ行った。
この時、アタシは休憩時間であった。
その時に、店の従業員さんがアタシに『武方さんが事務所に来ているから、至急来てください…』と言うたので、店の事務所に行った。
武方さんはアタシに『あいこちゃんがどこへ行ったのか知らないか?』と聞いたが、アタシは知らないと答えた。
事務所の中では、アタシと武方さんはこんな会話をしていた。
「あんたはどこのどこまでねちこい(しつこい)のかしらね!!あいこちゃんの離婚届のことは一切知らないわよ!!アタシは、あんたのことで思い切り怒っているのよ!!」
「とし子さん、こっちは困っているのだよ…あいこちゃんとこうきさんの離婚届が出たから困っているのだよ…」
「二人が離婚したら困る理由でもあるのかしら!?」
「あるから言うているのだよぉ~…とし子さん、聞いているのかなぁ…」
「アタシは、あいこちゃんがどこへ行ったのかは知らないわよ!!」
「とし子さん、この通り教えてください…あいこちゃんがどこへ行くと言うていたのかを聞いていたら教えてください…」
アタシは武方さんに『しょうがないわね…』と言うてから武方さんにこう言うた。
「あいこちゃん、友人知人がいないので、ことでんの志度線と長尾線の無人駅を転々として野宿しているみたいよ。」
「野宿…」
「親せきの家にいても、いじめられることは目に見えてるわよ…言いたいことはそれだけよ…もういいでしょ!!」
席から立ち上がったアタシは、別の場所へ行こうとしていた。
けれど、武方さんはなっとく行かない表情でアタシに待ってくれと言うてアタシを止めた。
「とし子さん。」
「何よ!?あんたに話すことは何もないのよ!!」
「分かってるよぉ…」
「分かっていたらアタシを止めないで!!」
「悪いと思っているよぉ…」
「それじゃあ、アタシを止めないでよ!!」
「だけど…」
「だけど何なのよ!?」
「納得が行かないのだよぉ…」
「はぐいたらしい(あつかましい)おっさんね!!他に何が知りたいと言うているよ!!あんたは刑事か探偵か!?」
「すぐ終わるから…あいこちゃんを最後に見たのはいつ頃なのかが知りたいのだよ!!」
「そんなことを聞いてどうしたいのよ!!」
「あいこちゃんを助けたいのだよ…」
「キレイゴトばかりを言わないでよ!!」
「キレイゴトじゃないよ…」
「あんたは無理強いでよりを戻すことしか頭にないから、さびしい男よね…できもしないのに、自信ありげなツラしないでよ!!」
「とし子さん、私はあいこちゃんを助けてあげたいのだよぉ~」
「そんなにあいこちゃんを助けたいのかしら!?」
「とし子さん、お願いします。」
「そんなにあいこちゃんを助けたいのであれば、アタシを34歳以前に戻してからにしてよ!!」
「無理だよ~」
「はぐいたらしいおっさんね!!もう怒ったわよ!!今から組長に電話するけん、逃げないでね!!」
アタシがスマホで組長の家に電話しているところを聞いた武方さんは、恐れをなして事務所から逃げ出した。
あいこちゃんに離婚届を書かせたこうきは、家にキャバの女のコを連れてきて、武方さんとおじさんの前で『あいこに離婚届を書かせた…あとは保証人のひとを頼むだけになったから…』と言うて、あいこちゃんとの離婚が確定したら婚姻届に保証人の名前を書けと武方さんに凄んだ。
章平の父は、部屋のすみでいじけていた。
その頃であった。
アタシは、あいこちゃんと一緒に坂出市役所にいて、こうきから突きつけられた離婚届を出した。
保証人の名前は、アタシの名前で署名になっている。
市役所の職員さんは『残念でしたね…』と声を落として言った。
市役所のロビーのすみでは、こうきとキャバの女のコがアタシとあいこちゃんをニヤニヤとした表情で見つめていたので、アタシは『サイテーね…』と冷めた表情でこうきとキャバの女のコをにらみつけた。
このあと、こうきはキャバの女のコと再入籍をした。
ところ変わって、JR坂出駅にて…
アタシは、快速マリンライナーに乗って高松に帰る予定である。
駅のプラットホームで、電車を待っているアタシとあいこちゃんはこんな会話をしていた。
「あいこちゃんは、これからどうするのよ?」
「これから、財田(三豊市)へ行きます。」
「財田に、知ってはる人はいるの?」
「母の実家が財田にあるのです。」
「お母さまの親類に助けを求めるのね。」
「ええ。」
「よく分かったわ…話し変わるけど、お母さまとは、連絡は取れているの?」
「ううん。」
「そう…アタシ、これから高松へ帰るわよ…あいこちゃんは、うんと遠くへ逃げるのよ。」
「そうします…財田の家に行った後は、うんと遠くへ逃げます…母方の遠い親せきの家がうんと遠くにあるので、そこからまたうんと遠くへ逃げます…とし子さん、いろいろとお世話になりました。」
「元気でね。」
その後、アタシは快速マリンライナーに乗って、高松へ帰った。
あいこちゃんは、下りの観音寺行きの各駅停車の列車に乗って、財田へ向かった。
アタシとあいこちゃんが坂出駅から出発した時であった。
こうきとキャバの女のコは、再婚するために婚姻届けを窓口に出した。
しかし、女のコの戸籍抄本が坂出市内になかったので、婚姻届けを受理してもらえなかった。
あいこちゃんとこうきの離婚届が受理されていたことを聞いた武方さんは、オタオタした表情で窓口の職員にあいこちゃんとこうきの再入籍をお願いした。
しかし、あいこちゃんが再婚保留期間であることを理由に職員からキャッカされた。
困り果てた武方さんは、アタシがいる天神前のローソンへ行った。
この時、アタシは休憩時間であった。
その時に、店の従業員さんがアタシに『武方さんが事務所に来ているから、至急来てください…』と言うたので、店の事務所に行った。
武方さんはアタシに『あいこちゃんがどこへ行ったのか知らないか?』と聞いたが、アタシは知らないと答えた。
事務所の中では、アタシと武方さんはこんな会話をしていた。
「あんたはどこのどこまでねちこい(しつこい)のかしらね!!あいこちゃんの離婚届のことは一切知らないわよ!!アタシは、あんたのことで思い切り怒っているのよ!!」
「とし子さん、こっちは困っているのだよ…あいこちゃんとこうきさんの離婚届が出たから困っているのだよ…」
「二人が離婚したら困る理由でもあるのかしら!?」
「あるから言うているのだよぉ~…とし子さん、聞いているのかなぁ…」
「アタシは、あいこちゃんがどこへ行ったのかは知らないわよ!!」
「とし子さん、この通り教えてください…あいこちゃんがどこへ行くと言うていたのかを聞いていたら教えてください…」
アタシは武方さんに『しょうがないわね…』と言うてから武方さんにこう言うた。
「あいこちゃん、友人知人がいないので、ことでんの志度線と長尾線の無人駅を転々として野宿しているみたいよ。」
「野宿…」
「親せきの家にいても、いじめられることは目に見えてるわよ…言いたいことはそれだけよ…もういいでしょ!!」
席から立ち上がったアタシは、別の場所へ行こうとしていた。
けれど、武方さんはなっとく行かない表情でアタシに待ってくれと言うてアタシを止めた。
「とし子さん。」
「何よ!?あんたに話すことは何もないのよ!!」
「分かってるよぉ…」
「分かっていたらアタシを止めないで!!」
「悪いと思っているよぉ…」
「それじゃあ、アタシを止めないでよ!!」
「だけど…」
「だけど何なのよ!?」
「納得が行かないのだよぉ…」
「はぐいたらしい(あつかましい)おっさんね!!他に何が知りたいと言うているよ!!あんたは刑事か探偵か!?」
「すぐ終わるから…あいこちゃんを最後に見たのはいつ頃なのかが知りたいのだよ!!」
「そんなことを聞いてどうしたいのよ!!」
「あいこちゃんを助けたいのだよ…」
「キレイゴトばかりを言わないでよ!!」
「キレイゴトじゃないよ…」
「あんたは無理強いでよりを戻すことしか頭にないから、さびしい男よね…できもしないのに、自信ありげなツラしないでよ!!」
「とし子さん、私はあいこちゃんを助けてあげたいのだよぉ~」
「そんなにあいこちゃんを助けたいのかしら!?」
「とし子さん、お願いします。」
「そんなにあいこちゃんを助けたいのであれば、アタシを34歳以前に戻してからにしてよ!!」
「無理だよ~」
「はぐいたらしいおっさんね!!もう怒ったわよ!!今から組長に電話するけん、逃げないでね!!」
アタシがスマホで組長の家に電話しているところを聞いた武方さんは、恐れをなして事務所から逃げ出した。