【女の事件】とし子の悲劇・2~ソドムの花嫁
第51話
時は流れて…
阿南市の事件以降、アタシは高松で2021年の秋まで女ひとりで暮らしていた。
なのに、武方さんの奥さまから『やっぱり再婚をした方がいいのではないか…』と言われたので、アタシは仕方なくお見合いして再婚をすることになった。
7度目の再婚相手は、高知市春野町南ヶ丘の高級住宅地で暮らしているすみおさん(48歳)であった。
すみおさんのお仕事は、南国市のセメント製造会社で、26年間経理ひとすじであった。
すみおさんは、3年前に奥さまを亡くしたあと、ふたりの息子さんと3人で暮らしていたけど、お母さんが必要ではないのかと思って再婚を考えていた。
アタシは、金輪際(こんりんざい)再婚をしたくないと言うたのに、武方さんの奥さまが口をへの字に曲げて『亡くなったお父さんが天国からとし子さんの花嫁姿が見たいと言ってるのよ…とし子さんが元カレにつきまとわれて困っていたのを助けてあげたのに…そんな言い方はないのじゃない?』と言い返した。
だから、仕方なくすみおさんと再婚した。
時は流れて…
2022年4月8日のことであった。
春野町南ヶ丘の高級住宅にある一戸建ての家の居間にて…
朝の食卓には、すみおさんとふじおさん(23歳・フリーアルバイター)とまさおさん(18歳・高知大学1回生)が居て、いつも通りに朝ごはんを食べていた。
食卓の上には、ツナサンドとコンソメスープとサラダとスクランブルエッグが置かれていた。
ダンナ(すみおさんのこと)は、ふじおさんに対してはきつい表情をしていたが、まさおさんにはニコニコとした表情をしていた。
ふじおさんは、怒って家を飛び出して行った。
ふじおさんが座っていた席に置かれている食事は、出来上がりのまま残っていた。
アタシはどうしたのかなと思って心配になっていたので、ダンナに言うた。
「あなた…きょうだいを比較しないでと言うているのに、どうしてふじおさんばかりに八つ当たりするのよ?」
「やかましい!!とし子にはカンケーないことだ!!オドレは家のことだけに集中して取り組め!!」
ダンナは、アタシにこう言うた後、まさおさんにニコニコした表情で言うた。
「まさお、大学は楽しいか?」
「うん、楽しいよ。」
「新しい友達はできたか?」
「うん、できたよ。」
「よかった…まさおはお兄ちゃんと違って、一生懸命になって勉強して高知大学に受かったよな…がんばるのだよ。」
ダンナは、ふじおさんのことをないがしろにしてまさおさんにばかり愛情を注いでいた。
だから、すみおさんの気持ちはすさんでいた。
それから数日後に、新たな悲劇の幕が上がった。
阿南市の事件以降、アタシは高松で2021年の秋まで女ひとりで暮らしていた。
なのに、武方さんの奥さまから『やっぱり再婚をした方がいいのではないか…』と言われたので、アタシは仕方なくお見合いして再婚をすることになった。
7度目の再婚相手は、高知市春野町南ヶ丘の高級住宅地で暮らしているすみおさん(48歳)であった。
すみおさんのお仕事は、南国市のセメント製造会社で、26年間経理ひとすじであった。
すみおさんは、3年前に奥さまを亡くしたあと、ふたりの息子さんと3人で暮らしていたけど、お母さんが必要ではないのかと思って再婚を考えていた。
アタシは、金輪際(こんりんざい)再婚をしたくないと言うたのに、武方さんの奥さまが口をへの字に曲げて『亡くなったお父さんが天国からとし子さんの花嫁姿が見たいと言ってるのよ…とし子さんが元カレにつきまとわれて困っていたのを助けてあげたのに…そんな言い方はないのじゃない?』と言い返した。
だから、仕方なくすみおさんと再婚した。
時は流れて…
2022年4月8日のことであった。
春野町南ヶ丘の高級住宅にある一戸建ての家の居間にて…
朝の食卓には、すみおさんとふじおさん(23歳・フリーアルバイター)とまさおさん(18歳・高知大学1回生)が居て、いつも通りに朝ごはんを食べていた。
食卓の上には、ツナサンドとコンソメスープとサラダとスクランブルエッグが置かれていた。
ダンナ(すみおさんのこと)は、ふじおさんに対してはきつい表情をしていたが、まさおさんにはニコニコとした表情をしていた。
ふじおさんは、怒って家を飛び出して行った。
ふじおさんが座っていた席に置かれている食事は、出来上がりのまま残っていた。
アタシはどうしたのかなと思って心配になっていたので、ダンナに言うた。
「あなた…きょうだいを比較しないでと言うているのに、どうしてふじおさんばかりに八つ当たりするのよ?」
「やかましい!!とし子にはカンケーないことだ!!オドレは家のことだけに集中して取り組め!!」
ダンナは、アタシにこう言うた後、まさおさんにニコニコした表情で言うた。
「まさお、大学は楽しいか?」
「うん、楽しいよ。」
「新しい友達はできたか?」
「うん、できたよ。」
「よかった…まさおはお兄ちゃんと違って、一生懸命になって勉強して高知大学に受かったよな…がんばるのだよ。」
ダンナは、ふじおさんのことをないがしろにしてまさおさんにばかり愛情を注いでいた。
だから、すみおさんの気持ちはすさんでいた。
それから数日後に、新たな悲劇の幕が上がった。