【女の事件】とし子の悲劇・2~ソドムの花嫁
第56話
ゴールデンウィークが終わっても、ふじおさんからの連絡はなかった。
ヒサナガさんの奥さまが家に侵入してきた恐ろしい覆面をかぶった男に犯されて殺された事件で、ふじおさんに疑いが出た。
ここへ来て、ふじおさんとヒサナガさんの奥さまによくないウワサが広まった。
後になって、ふじおさんとヒサナガさんの奥さまが小さいときからの幼なじみで、仲良く遊んでいたことが分かった。
ふじおさんが6歳の時、ダンナの性格が原因で野市(高知県香南市)の実家の家族と大ゲンカになった事件が発生した。
事件の発端は、ふじおさんが幼なじみのヒサナガさんの奥さまとままごとをしていたところをダンナに見られたので、ふじおさんはダンナから『女とチャラチャラ遊ぶな!!オドレはそれでも男か!?』と怒鳴られて、ひどく傷ついて心を閉ざした。
そのことが原因で、ダンナは親きょうだいからとがめられた。
ダンナは、親きょうだいともめごとを繰り返したあげくに、野市に行くことができなくなった。
ダンナは、ふじおさんに八つ当たりを繰り返したことに気がついて、もうしわけない気持ちになった。
ダンナは、心配になって野市の実家に電話をして、ふじおさんの友人知人はいないかどうか聞いてみた。
ふじおさんに友人知人はひとりもいなかったので、ダンナはますます心配になった。
5月8日の朝7時頃のことであった。
家の食卓に、アタシとダンナとまさおさんがいていつも通りに朝食を摂っていたが、まさおさんの表情が険しくなっていた。
ダンナは、まさおさんを傷つけないようにと思って、まさおさんにあやまった。
「まさお…いつか…まさおにカノジョができた時に…家にカノジョを連れてくると言ったよね…とうさん、その時に急な仕事が入ったので、会うことができなかった…すまない…」
ダンナは、必死になってまさおさんに呼び掛けていた。
しかし、まさおさんは一言も話さなかった。
困ったダンナは、まさおさんににこやかな表情で伝えた。
「とうさんは、まさおにカノジョができたことはうれしいのだよ…とうさんはうれしいのだよ…」
アタシも、にこやかな表情でまさおさんに言うた。
「まさおさん…おとーさんはまさおさんにカノジョができたからうれしいと言うているのよ…また今度うちにつれてきてねと言うているのよ…今日も楽しく大学に行こうね…お友だちもいっぱい待っているよ。」
(バーン!!)
まさおさんは、平手打ちでテーブルを叩いた後、きつい目付きでダンナをイカクした。
その後、カバンを手に取って朝ごはんをたくさん残したまま家を出た。
「まさおさん…朝ごはん残っているわよ…お腹がすくわよ…ねえ、牛乳だけでもいいから朝ごはんを食べてよ!!」
(バーン!!)
まさおさんは、玄関のドアを思い切りしめた後、家を出て行った。
まさおさんは、あの日を境にして表情がイカク的になった。
大学へ行くことも苦痛になったみたい…
ダンナも、家族と暮らして行くことが苦痛になったと言うていた。
この時アタシは、近所の奥さまから言われたことを思い出した。
ダンナの無関心はアタシの無関心だと言うこと…
それを思い出したアタシは、落ち着かなくなった。
そしてとうとう、アタシが恐れていた事件が発生した。
ヒサナガさんの奥さまが家に侵入してきた恐ろしい覆面をかぶった男に犯されて殺された事件で、ふじおさんに疑いが出た。
ここへ来て、ふじおさんとヒサナガさんの奥さまによくないウワサが広まった。
後になって、ふじおさんとヒサナガさんの奥さまが小さいときからの幼なじみで、仲良く遊んでいたことが分かった。
ふじおさんが6歳の時、ダンナの性格が原因で野市(高知県香南市)の実家の家族と大ゲンカになった事件が発生した。
事件の発端は、ふじおさんが幼なじみのヒサナガさんの奥さまとままごとをしていたところをダンナに見られたので、ふじおさんはダンナから『女とチャラチャラ遊ぶな!!オドレはそれでも男か!?』と怒鳴られて、ひどく傷ついて心を閉ざした。
そのことが原因で、ダンナは親きょうだいからとがめられた。
ダンナは、親きょうだいともめごとを繰り返したあげくに、野市に行くことができなくなった。
ダンナは、ふじおさんに八つ当たりを繰り返したことに気がついて、もうしわけない気持ちになった。
ダンナは、心配になって野市の実家に電話をして、ふじおさんの友人知人はいないかどうか聞いてみた。
ふじおさんに友人知人はひとりもいなかったので、ダンナはますます心配になった。
5月8日の朝7時頃のことであった。
家の食卓に、アタシとダンナとまさおさんがいていつも通りに朝食を摂っていたが、まさおさんの表情が険しくなっていた。
ダンナは、まさおさんを傷つけないようにと思って、まさおさんにあやまった。
「まさお…いつか…まさおにカノジョができた時に…家にカノジョを連れてくると言ったよね…とうさん、その時に急な仕事が入ったので、会うことができなかった…すまない…」
ダンナは、必死になってまさおさんに呼び掛けていた。
しかし、まさおさんは一言も話さなかった。
困ったダンナは、まさおさんににこやかな表情で伝えた。
「とうさんは、まさおにカノジョができたことはうれしいのだよ…とうさんはうれしいのだよ…」
アタシも、にこやかな表情でまさおさんに言うた。
「まさおさん…おとーさんはまさおさんにカノジョができたからうれしいと言うているのよ…また今度うちにつれてきてねと言うているのよ…今日も楽しく大学に行こうね…お友だちもいっぱい待っているよ。」
(バーン!!)
まさおさんは、平手打ちでテーブルを叩いた後、きつい目付きでダンナをイカクした。
その後、カバンを手に取って朝ごはんをたくさん残したまま家を出た。
「まさおさん…朝ごはん残っているわよ…お腹がすくわよ…ねえ、牛乳だけでもいいから朝ごはんを食べてよ!!」
(バーン!!)
まさおさんは、玄関のドアを思い切りしめた後、家を出て行った。
まさおさんは、あの日を境にして表情がイカク的になった。
大学へ行くことも苦痛になったみたい…
ダンナも、家族と暮らして行くことが苦痛になったと言うていた。
この時アタシは、近所の奥さまから言われたことを思い出した。
ダンナの無関心はアタシの無関心だと言うこと…
それを思い出したアタシは、落ち着かなくなった。
そしてとうとう、アタシが恐れていた事件が発生した。