【女の事件】とし子の悲劇・2~ソドムの花嫁
第64話
8月29日は、デリヘル店は生理休暇でファミマのバイトは交代休みなので、高松駅から朝イチの快速マリンライナーとJR山陽本線の電車を乗り継いで三原市へ行った。
亡き父のお墓は、三原市の向かいの生口島の垂水(昔大三島との連絡船が発着していた港)の昔の船着き場から山の手へ歩いて700メートルのところにあるお寺さんにあった。
赤茶色のバックと途中の花屋さんで買ったしきびさんを持っているアタシは、住職さんに案内されて亡き父のお墓に行った。
アタシは、しきびさんを花立てに入れてお線香を立てた後、父の墓前に手を合わせた。
お墓参りを終えたアタシは、赤茶色のバックを持って、沢港へ続く県道を歩いた。
アタシは、沢港から須波港までフェリーに乗って、三原市側に戻った後、三原市内に続く海沿いの国道を歩いて、三原港に到着しました。
アタシが三原港に到着したのは、夕方4時すぎのことであった。
この時アタシは、母と再会した。
「お父さんのお墓参りをしたのね…」
「うん…せめて一度だけでもと思って…」
「そうね…」
アタシと母は、三原港の岸壁の方まで行って、お話をした。
「とし子…あんた…これからどうして行くのよ?」
「どうして行くのよって…結婚生活が破綻したから、やり直しなんてできない…アタシ、お父さんの墓前にあやまってきたわ…結婚生活がまた破綻したことを伝えたわよ。」
「とし子もつらかったよね…離婚したかったら離婚をしてもいいのよ…とし子は生まれた時から縁がなかったのよ…」
「そうするわ…アタシ、今まで誰のために結婚したのか…全く分からなかった…アタシは、今までお父さんの楽しみのために結婚したと思う…ふざけているわよ…娘の花嫁姿を見ることしか楽しみがないなんて…お父さんはどこかでむりがまんを重ねていたのよ!!お父さんはやくざにうらまれるようなことはしていない…なんておかしいわよ…何かがあるのよ!!そのことを分かっているのに、どうしてアタシに本当のことを話さなかったのよ!?」
アタシの言葉に対して、母はくすんくすんと泣きながらアタシにあやまった。
「とし子…ごめんなさい…お父さんがやくざの鉄砲で撃たれて亡くなったことは…上のおじさんと下のおじさんが全部悪いのよ…上のおじさんは、居酒屋でやくざとトラブルを起こしていた…下のおじさんは…丁半(さいころ)トバクに手を出したあげくに、やくざの組の上納金と組長の愛人を奪って行方不明になったのよ。」
「それじゃあもうひとつ聞くけれど、お父さんがアタシの花嫁姿を見ることしか楽しみがないのはどういうわけなのかしら!?」
「とし子、もう忘れてしまったのかい…とし子が27歳の時、恐ろしい事件に巻き込まれた夜のことを…」
アタシは、母から言われた言葉を思い出したのと同時に、忌まわしい過去を思い出した。
アタシ…
あの時…
お父さんが働いていた職場で一番の働き者の男性従業員さんと挙式披露宴を挙げる予定だった…
挙式披露宴を翌日に控えた前の日の夜は…
工場の納期日だった…
職場放棄した従業員がいたので、婚約者の男性は夜通しで仕事を仕上げていた…
明日は挙式披露宴なのよ…
分かっているのかしら…
あの人は、覚えているよと言ってから…
今日中に仕上げないといけない仕事がたくさん残っている…
工場が人手不足におちいっている…
明日の朝、納品が完了したら結婚式場に行くから…
あの人は、そう言うた後、電話を切った…
ひとりぼっちになったアタシは…
そのあと…
社宅の裏の雑木林にホームレスの男4人につれて行かれて…
身体を押さえつけられて…
アタシが着ていた衣服を思い切り破った…
ブラジャーを思い切りちぎられて…
衣服とショーツがボロボロになるまで…
犯されてしまった…
助けて…
助けて…
ねえ…
助けて…
アタシが助けを求めているのに…
どうしてあの人は来てくれないの…
工場の仕事の方が大事だと言うのね…
もういいわ…
見損ねたわよ…
あの人は…
アタシが恐ろしい事件に巻き込まれて助けを求めているのに…
アタシを見棄てた(みすてた)…
見損ねたわよ!!
事件の翌朝…
アタシが集団レイプの被害を受けて、ボロボロに傷ついて恥ずかしい姿になったことを聞いたあの人は…
父から『オドレもレイプ事件の共犯者だ!!』と言葉の暴力をふるわれた…
あの人は、そのことを苦に…
三原港の岸壁から…
投身自殺をはかった…
イヤ!!
思い出したくもないわ!!
やめて!!
やめて!!
ギャー!!
レイプ事件の恐怖を思い出したアタシは、震える声で泣いた。
母は、アタシに泣きながらあやまった。
「とし子…ごめんね…思い出したくもない過去を掘り起こして…ごめんね…」
アタシは、ひと間隔をあけてから母に言うた。
「いいの…もういいの…アタシ…結婚なんかあきらめたわ…女ひとりで生きて行く…」
「そうね…とし子は、女ひとりで生きて行く方が向いてるわよ…」
「アタシ…もう帰るわ…」
アタシは、8月29日を境にして三原市から足が遠のいた。
亡き父のお墓は、三原市の向かいの生口島の垂水(昔大三島との連絡船が発着していた港)の昔の船着き場から山の手へ歩いて700メートルのところにあるお寺さんにあった。
赤茶色のバックと途中の花屋さんで買ったしきびさんを持っているアタシは、住職さんに案内されて亡き父のお墓に行った。
アタシは、しきびさんを花立てに入れてお線香を立てた後、父の墓前に手を合わせた。
お墓参りを終えたアタシは、赤茶色のバックを持って、沢港へ続く県道を歩いた。
アタシは、沢港から須波港までフェリーに乗って、三原市側に戻った後、三原市内に続く海沿いの国道を歩いて、三原港に到着しました。
アタシが三原港に到着したのは、夕方4時すぎのことであった。
この時アタシは、母と再会した。
「お父さんのお墓参りをしたのね…」
「うん…せめて一度だけでもと思って…」
「そうね…」
アタシと母は、三原港の岸壁の方まで行って、お話をした。
「とし子…あんた…これからどうして行くのよ?」
「どうして行くのよって…結婚生活が破綻したから、やり直しなんてできない…アタシ、お父さんの墓前にあやまってきたわ…結婚生活がまた破綻したことを伝えたわよ。」
「とし子もつらかったよね…離婚したかったら離婚をしてもいいのよ…とし子は生まれた時から縁がなかったのよ…」
「そうするわ…アタシ、今まで誰のために結婚したのか…全く分からなかった…アタシは、今までお父さんの楽しみのために結婚したと思う…ふざけているわよ…娘の花嫁姿を見ることしか楽しみがないなんて…お父さんはどこかでむりがまんを重ねていたのよ!!お父さんはやくざにうらまれるようなことはしていない…なんておかしいわよ…何かがあるのよ!!そのことを分かっているのに、どうしてアタシに本当のことを話さなかったのよ!?」
アタシの言葉に対して、母はくすんくすんと泣きながらアタシにあやまった。
「とし子…ごめんなさい…お父さんがやくざの鉄砲で撃たれて亡くなったことは…上のおじさんと下のおじさんが全部悪いのよ…上のおじさんは、居酒屋でやくざとトラブルを起こしていた…下のおじさんは…丁半(さいころ)トバクに手を出したあげくに、やくざの組の上納金と組長の愛人を奪って行方不明になったのよ。」
「それじゃあもうひとつ聞くけれど、お父さんがアタシの花嫁姿を見ることしか楽しみがないのはどういうわけなのかしら!?」
「とし子、もう忘れてしまったのかい…とし子が27歳の時、恐ろしい事件に巻き込まれた夜のことを…」
アタシは、母から言われた言葉を思い出したのと同時に、忌まわしい過去を思い出した。
アタシ…
あの時…
お父さんが働いていた職場で一番の働き者の男性従業員さんと挙式披露宴を挙げる予定だった…
挙式披露宴を翌日に控えた前の日の夜は…
工場の納期日だった…
職場放棄した従業員がいたので、婚約者の男性は夜通しで仕事を仕上げていた…
明日は挙式披露宴なのよ…
分かっているのかしら…
あの人は、覚えているよと言ってから…
今日中に仕上げないといけない仕事がたくさん残っている…
工場が人手不足におちいっている…
明日の朝、納品が完了したら結婚式場に行くから…
あの人は、そう言うた後、電話を切った…
ひとりぼっちになったアタシは…
そのあと…
社宅の裏の雑木林にホームレスの男4人につれて行かれて…
身体を押さえつけられて…
アタシが着ていた衣服を思い切り破った…
ブラジャーを思い切りちぎられて…
衣服とショーツがボロボロになるまで…
犯されてしまった…
助けて…
助けて…
ねえ…
助けて…
アタシが助けを求めているのに…
どうしてあの人は来てくれないの…
工場の仕事の方が大事だと言うのね…
もういいわ…
見損ねたわよ…
あの人は…
アタシが恐ろしい事件に巻き込まれて助けを求めているのに…
アタシを見棄てた(みすてた)…
見損ねたわよ!!
事件の翌朝…
アタシが集団レイプの被害を受けて、ボロボロに傷ついて恥ずかしい姿になったことを聞いたあの人は…
父から『オドレもレイプ事件の共犯者だ!!』と言葉の暴力をふるわれた…
あの人は、そのことを苦に…
三原港の岸壁から…
投身自殺をはかった…
イヤ!!
思い出したくもないわ!!
やめて!!
やめて!!
ギャー!!
レイプ事件の恐怖を思い出したアタシは、震える声で泣いた。
母は、アタシに泣きながらあやまった。
「とし子…ごめんね…思い出したくもない過去を掘り起こして…ごめんね…」
アタシは、ひと間隔をあけてから母に言うた。
「いいの…もういいの…アタシ…結婚なんかあきらめたわ…女ひとりで生きて行く…」
「そうね…とし子は、女ひとりで生きて行く方が向いてるわよ…」
「アタシ…もう帰るわ…」
アタシは、8月29日を境にして三原市から足が遠のいた。