【女の事件】とし子の悲劇・2~ソドムの花嫁
最終回
9月3日の正午前のことであった。

アタシは、高松市内のデリヘル店の女のコの待機部屋にいて、いつでも出張に行けるように準備を整えていた。

その時に、店長さんが血相を変えて待機部屋に飛び込んで来た。

店長さんはアタシに『高知市で立てこもり事件が発生した…現場は春野町の高級住宅地の中にある住宅で、容疑者は18歳の少年で大学をやめさせた父親を連れてこい!!とケーサツに要求している…』と伝えた。

人質はいないが、容疑者の少年はまさおさんかもしれないと思った。

アタシは、急いで身支度を整えて高知へ行く準備をした。

身支度を整えたアタシは、赤茶色のバッグを持って、高松駅のバスターミナルに向かって走り出した。

とにかく急がないと…

早く行かないと手遅れになってしまう…

アタシは、高松駅のバスターミナルから高知市のはりまや橋バスターミナル(旧高知西武百貨店跡地)へ向かった。

ところ変わって、春野町の高級住宅地にて…

立てこもり事件の現場は、ダンナが暮らしている家であった。

キンリンの住民のみなさまが、ものすごく心配な表情で事件現場の様子を見ていた。

早くしてくれ…

何とかならないのか…

事件現場では、万が一に備えて高知県警と応援できている徳島と愛媛の両県警のSAT隊員合計100人と高知と善通寺の陸上自衛隊の隊員合計100人と山口県岩国市の在日米軍兵100人が武装した状態で待機していた。

さらに、高知駐屯地の戦車1台が待機していた。

場合によっては、戦車で家ごとぺちゃんこにつぶすか家を砲撃する危険性をはらんでいた。

家の中では、まさおさん…いえ…まさおが『大学をやめさせた父親を連れてこい!!カネとパスポートを用意しろ!!婦警をひとり連れて来い!!』とわめいていた。

ケーサツは『無駄な抵抗をやめて出て来い!!さもなくば、武力行使に踏み切る!!』と強い口調で警告した。

まさおは刃渡りの鋭いナイフを持って抵抗していた。

もう極限の状態に達しているようだ。

同じ頃、現場近くの交番で警察官が所有していた拳銃が奪われた事件が発生した。

こともあろうに、警察官の拳銃を奪ったのはダンナ…いえすみおであった。

そして、夕方4時過ぎにサイアクな局面を迎えた。

ダンナは、事件現場の高級住宅地に到着したあと、ごり押しで現場の家に入った。

キンリンの住民は『危ないから入らないで!!』と言うたが、ダンナは『まさおを殺しに行く!!』と叫んだあと、そのまま入って行った。

すみおは、刃渡りの鋭いナイフを持っているまさおに向けて拳銃を発砲した。

(ズドーン!!)

銃声におどろいたまさおは、右手に持っていたナイフを落とした。

「何しやがるのだ!?」
「まさお!!」
「何や!?オレを撃つのか!?」
「撃ち殺してやる!!」

(ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!)

すみおは、まさおに拳銃で発砲した後、家の中で暴れ始めた。

家の中が危険になったので、待機していた戦車ですみおの家を砲撃することにした。

「撃て!!」

(ズドーン!!ヒュルルルル!!ドカーン!!)

すみおの家は、戦車の大砲から発砲された砲弾で大破した。

住民たちが、大パニックを起こしながら一斉に逃げ出した。

その頃アタシは、はりまや橋バスターミナルからタクシーに乗って、事件現場の高級住宅地へ向かっていた。

タクシーは、有料道路を経由して事件現場の高級住宅地の入り口から700メートル手前の交差点で止まった。

アタシは、そこで降りることにした。

タクシーチケットを運転手さんに渡した後、赤茶色のバッグを持って、タクシーを降りた。

アタシは、最も恐ろしい光景を目の当たりにした。

(カンカンカンカンカン!!カンカンカンカンカン!!)

キンリンの消防団の詰め所のハンショウがけたたましくなりひびいていたのと同時に、高知市の中央消防署のけたたましいサイレンがひっきりなしに鳴り響いた。

(ギャー!!ギャー!!)

住宅地の住民のみなさまが、恐ろしい悲鳴をあげながら逃げ回っていた。

アタシは、壬生川と日和佐で見た恐ろしい光景を思い出したので、海の方へ逃げた。

この時、高知市の中央消防署の消防車7台がけたたましいサイレンを鳴らして事件現場に向かった。

(ウーウーウーウー!!カンカンカンカンカン!!ウーウーウーウー!!カンカンカンカンカン!!ウーウーウーウー!!カンカンカンカンカン!!)

消防車7台が現場に向かっていた時、遠くでものすごく大きな爆発音が聞こえた。

(ドカーン!!ドカーン!!ドカーン!!ゴゴゴゴゴゴ!!ゴゴゴゴゴゴ!!ドーン!!)

アタシは、遠くから爆発音と共にどす黒い煙が丘を下って流れているのを見たので、今までに体感したことのない恐怖に襲われた。

アタシは赤茶色のバッグを持って、海まで逃げた。

海に着いた時、アタシが着ている白のブラウスは汗でべっとり濡れて、インクブルーのブラジャーが透けて見えていたのと同時に着衣が乱れた。

アタシは、今までに体感したことのない恐怖に包まれまていたので、頭がサクラン状態におちいった。

この時、27歳の時にホームレスの男たちからボロボロに傷つくまでシツヨウに犯された時の記憶がよみがえった。

イヤ!!

やめて!!

27歳の時の恐怖を掘り起こさないで!!

お願い…

やめて…

お願い…

助けて…

助けて…

アタシを助けて…

お願い…

いっ…

イヤ…

イヤ…

ギャー!!

【絶叫】
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