wedding day
ユダから提案されたのは、エデンで武器として育てられた少女と一緒に働くというものだった。働くうちに互いの過去に囚われなくなるだろうとユダは言っていたが、エヴァに対する罪悪感はオーロラの中で日に日に強くなっている。ちなみに、エヴァたちにオーロラは何も話していない。

もしも、エデンという存在がなければエヴァが人を殺めることも、ごく普通の人生を送ることもできた。それをエデンが奪ってしまったのだ。

「オーロラ？どうしたんですか？」

ボウッとしてしまったオーロラにエヴァが声をかける。オーロラは「何でもないです」とエヴァから目をそらして作業を続けた。

「エヴァ！ちょっといいかな？」

作業を続ける二人に、世界的に有名な舞台俳優であり、エヴァの婚約者でもあるシリウス・プランタンが話しかける。エヴァは「何でしょうか？」とすぐに顔を上げた。その頰が喜びで染まっていることにオーロラはすぐに気付く。

「ちょっと来て」

シリウスに手を引かれ、エヴァはどこかへ連れて行かれる。作業を続けようとするオーロラに、元軍人でスタントマンをしているバージル・ブラックが呆れた声を出した。
< 5 / 28 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop