wedding day

「オーロラ、愛してる」

二人のキスを見ていたオーロラの頭の中に、恋人のアルフィー・ブーゲンビリアの声が蘇る。そして、二人で交わしたキスのことも思い出した。

「ダメだ！私なんかが愛されちゃ、幸せになっちゃ！」

オーロラは胸の高鳴りを誤魔化すように急いでその場を離れる。その頰を涙が伝った。



一日の仕事が終わり、オーロラは帰宅する準備を始める。そんな彼女にアイヴィーが声をかけてきた。

「ねえオーロラ。これからシリウスたち、私とケイリーの家で夕食を食べることにしてるの。あなたもどう？」

「えっと……」

ケイリーたちは「アイヴィーの作るご飯、おいしいよな」とにこやかに話し、かぐやとエヴァは「楽しみですね」と話している。

普段、誰かの誘いはオーロラは断っていた。自分は犯罪者の家族、エヴァたちは善人。交わっていい世界ではない。しかし、今回は断りにくい雰囲気だ。

「オーロラお姉さん、今日は来てくれる？」