wedding day
オーロラの足に、ピンクのドレスを着た可愛らしい女の子が抱きついてくる。アイヴィーとケイリーの娘のルクリアだ。

「お姉さん、お話はしてくれるけどおうちに来てくれないから……。私、お姉さんともっとお話ししたいな」

ルクリアはジッとオーロラを見上げる。こんな小さな子の願いを断ることなどできない。選択肢は一つだった。

「わかりました。私も行きーーー」

言葉を続けようとしたオーロラだったが、「ちょっと待って!!」と何者かに抱き付かれる。その声と体温、そして匂いはオーロラのよく知ったものだった。

「アルフィー」

「正解!今日は俺とデートする約束だったでしょ?」

オーロラが見上げた恋人のアルフィーは優しく笑いかけてくる。しかし、デートの約束などした覚えがない。オーロラが声を発そうとすると、アルフィーにパチンとウインクされた。

「恋人との約束があるなら仕方ないな」

バージルがそう言い、「残念だけどまた今度だね」とシリウスも言う。ケイリーがルクリアに「お姉さんは恋人とお約束があるんだって」と声をかけた。ルクリアはオーロラの手をギュッと掴み、見上げてくる。
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