Ruka~君の最期の願い~
 その日の彼女の服装は,オフホワイトのニットに花柄のミモレ丈のスカート,ブルーのデニムジャケット。靴は赤いハイカットスニーカーだった。
「瑠花,……今日なんか可愛い」
「そうかなあ? 先生も私服だと感じが違うね」
 学校で会う時は俺はいつもスーツ姿だったから,デニムにTシャツ,薄手のジャケット姿の俺が新鮮だったのだろう。
「一応,俺も若者だからな」
 普段の俺は,彼女にはよほど()けて見えていたのだろうか。俺は少し傷付いた。
 その時だったのかもしれない。学校にスーツ姿で行くのは,式典の日以外はやめようと思ったのは。
「ううん,そういう意味じゃないよ⁉ すごく似合ってるよっ」
 俺が()ねたと思って,アタフタしながら弁解する姿がまた可愛かった。
「なーんてな。拗ねてないよ」
「もう!」
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