Ruka~君の最期の願い~
 数分後……。
「ケイちゃん,お待たせ! お母さんのお土産,こんなに買っちゃった♪」
 瑠花はショップのビニール袋じゃなく,なんと紙袋を提げてショップを出てきた。中身はお菓子が二種類と,その他の雑貨系が数種類だった。
「こういうところのお菓子とかグッズって,どれも可愛くて迷っちゃうよねー」
「……で,迷った末に全部買ったんかい。まあいいけどな」
 あの母親なら,瑠花の土産は全部嬉しがるだろう。お菓子は近所の人におすそ分けなり何なりしたのだろう。
「瑠花,俺からもお土産。……ハイ」
「えっ!わたしに? いいの?」
「うん。開けてみ?」
 瑠花は俺から受け取ったビニール袋のテープを()がし,出てきたものに破顔(はがん)した。
「わあ,イルカちゃんだ! 可愛い☆ ケイちゃん,ありがと!」
「ピンクとブルーがあって,ブルーにしたんだけど。気に入ってくれたか?」
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