Ruka~君の最期の願い~
「デートならまたいつでもできるだろ? 明日は日曜だからゆっくり休んで,また来週学校で会おう。な?」
「うん……。ねえ,ケイちゃん。明日連絡していい?」
「うん,いいよ」
 会えなくても,声だけでも聞きたい。それは俺も同じだった。声だけでも聞いて,彼女が生きていることを確かめて安心したかった。
 もちろん,それだけじゃない。短い期間しか一緒にいられないからこそ,好きな相手を身近に感じていたかったというのもある。
「頭痛治まった? もう立ち上がれるか?」
「うん,もう大丈夫」
 彼女の顔色は,休憩する前よりだいぶよくなっていた。なんとか立ち上がることができた瑠花を俺が支え,俺と瑠花は予定より早く帰路についた。
「――ケイちゃん,今日はありがとね。わたしのせいで予定変わっちゃってゴメンなさい」
「いいから。明日,遠慮なく連絡してこいよ」
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