Ruka~君の最期の願い~
孤立……
 ――翌日,すっかり体調がよくなった瑠花が俺に連絡をくれた。それもLINEではなく,電話で。
『ケイちゃん,おはよ。昨日はありがとね』
 "おはよう"も何もないもんだ。その時すでに,十一時前だったのだから。
「瑠花,体調はもういいのか?」
 きっと具合が悪くて起きられなかったのだろうと思い,俺がそう訊いたところ。
『うん,もう大丈夫。朝まではしんどくてなかなか起きられなかったんだけどね,今は何ともないよ』
 やっぱりそうだった。これだから脳の病気は(あなど)れないのだと,高校までの俺の同級生で今は脳外(のうげ)でインターンの医者をやっている友達から聞いた。
「そっか。でもあんまりムリすんなよ。明日,元気に学校に来いよ」
『うん』
「……ところで,瑠花って俺が初恋なんだろ? なのに,なんか慣れてるっぽいのはなんで?」
 前日のデートといい,なぜか初めて男と付き合う女の子という感じがしなかった。
『それはねえ,わたし読書が趣味なの。だから,恋愛の知識はほとんど恋愛小説とか映画とかから仕入れてるんだよ』
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