Ruka~君の最期の願い~
「ありがとうございます。どうかよろしくお願いします」
俺は西本先生に頭を下げて,自分のデスクに戻った。
……瑠花は今頃病院だろうか? 俺はふと思った。主治医の先生とどんな話をしているのだろう,と。
彼女の病状が悪化していないことを,その時俺は切に願った。
****
――その夜はなかなか寝つけず,迎えた翌日の朝。
「おはようございます,木下先生!」
職員用駐車場に停めた車から降りた俺に,瑠花が元気に挨拶してきた。
「おはよ。……あれ? 今日,江畑は?」
「日奈なら,部活で今日は早く登校してるはずだよ。ソフトボール部のキャプテンだから」
「あ……,そっか。部活な」
そういえば,江畑は都内屈指の強豪である我が伸栄高校ソフト部の主将だった。
そして,江畑の名前が出て思い出した。
「……そういや昨日,病院に行ってたんだって? 具合はどう?」
「ああ,日奈から聞いたの? ――もう大丈夫だよ。今のところはね。昨日,念のために点滴打ってもらったから」
俺は西本先生に頭を下げて,自分のデスクに戻った。
……瑠花は今頃病院だろうか? 俺はふと思った。主治医の先生とどんな話をしているのだろう,と。
彼女の病状が悪化していないことを,その時俺は切に願った。
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――その夜はなかなか寝つけず,迎えた翌日の朝。
「おはようございます,木下先生!」
職員用駐車場に停めた車から降りた俺に,瑠花が元気に挨拶してきた。
「おはよ。……あれ? 今日,江畑は?」
「日奈なら,部活で今日は早く登校してるはずだよ。ソフトボール部のキャプテンだから」
「あ……,そっか。部活な」
そういえば,江畑は都内屈指の強豪である我が伸栄高校ソフト部の主将だった。
そして,江畑の名前が出て思い出した。
「……そういや昨日,病院に行ってたんだって? 具合はどう?」
「ああ,日奈から聞いたの? ――もう大丈夫だよ。今のところはね。昨日,念のために点滴打ってもらったから」