Ruka~君の最期の願い~
「ヤバい! どどどど,どーしよ!?」
 俺は思いっきり取り乱した。
 俺と瑠花が付き合っていることがバレる。それは教師として非常にマズいと俺は思った。……結局はその後,学校中に知れ渡ることとなったのだが。
「……わたしはバレてもいいよ。わたしのこと気にしてるなら,大丈夫」
「……えっ?」
 どうして分かったんだろう? 俺との仲が学校側にバレたら,彼女がまた傷付くかもしれないと気にしていたことを。
「大丈夫だよ。わたしはもう傷付かないから。だって,一人じゃないんでしょ?」
「…………うん」
 やっぱり彼女は強いと思った。俺の方が,彼女に背中を押されるなんて。
 一人じゃない。それは俺も同じだ。
「これからはクラスのみんなと一緒に,最高の思い出を作っていこうよ。ねっ,先生」
「うん」

 ――その後,彼女が孤立することはなくなった。
 そして俺と彼女の恋愛は,彼女の余命を考慮されてか学校公認の仲となった。
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