特殊護衛団の最強姫
その後すぐに訓練が始まったのだが、結果は案の定といったものだった。
まずは第1訓練のガイア。
ガイアはパワータイプの剣士で、主な武器は大剣だ。
30人を相手にフルパワーで戦い、圧勝。
まだまだいけそうな感じだ。
次に第2訓練のロキさん。
相変わらずの見事な弓使いで30人を翻弄し、接近戦に持ち込む間もなく勝利した。
そして第3訓練のルーカスさん。
完璧な剣さばきで、あっという間に30人を倒してしまった。
あの身のこなしは並大抵の人間では真似できない。
さすがは騎士団長だ。
ケガした護衛団員をテンが手際よく治療している間に、それぞれの悪かった点などを分析、アドバイスしてあげている。
ロキさんとルーカスさんのアドバイスは的確で本当に分かりやすい。
意外にもガイアのアドバイスもかなりしっかりしていて、団員達からなかなか好評だった。
第3訓練の治療、アドバイスも終わり、いよいよ最後の第4訓練。
私の出番だ。
「うわわ、リオさんだ。」
「よ、よろしくお願いします!!」
「近くで見るとやっぱ綺麗だなぁ...。」
「本当に強いのか?」
喋りながら準備をする30人の護衛団員達は、きっと最近入ったばかりなのだろう。
見たことがない人が大勢いる。
手にしている武器は、大剣、太刀、弓矢など。
珍しく槍使いもいるようだ。
「へえ、リオの相手は武器の種類が豊富だね。これは少し手こずるんじゃない?」
「ははっ!おもしろい冗談ですね。」
少し心配そうに声をかけてきたロキさんに笑顔を返し、私もゆっくりと準備を始める。
あ、髪を結わないと。
下ろしたままだった琥珀色の髪を丁寧にひとつにまとめる。
ちなみにこの髪は王妃であるレイラ様のお気に入りだ。
「髪は女の子の命よ。大切にね。」
と言われた日から、切らずに大切にしている。
「よしっ。」
行きますか。
私は、既に準備万端な30人の護衛団員達の元へ足を進めた。