特殊護衛団の最強姫
side.リオ
きた。
ついにきてしまった。
私が最も恐れていた時が。
「リオ様!!どうしたらあなたのように強くなれますか!」
「俺はどこを改善すればもっと剣術が上達するのでしょうか!!」
「僕とお付き合いして頂けませんか!!」
訓練も無事に終わり、現在私はたくさんの護衛団員達に囲まれている。
皆興奮した様子で詰め寄ってくるため、もう逃げることも出来そうになかった。
「あははは...。」
最悪だ。
私が護衛団との合同訓練をあんなにも嫌がっていた理由。
それが、この質問タイムだ。
最後の質問に関してはしっかりスルーさせてもらうが、剣術に関しての質問は本当に困る。
なぜなら私には分からないから!
剣術の改善点や上達法などについて、ルーカスさん達はとても分かりやすく説明していた。
それは、彼ら全員が剣術についての基礎を学び、共通した知識を持っているから出来たこと。
しかし私にはそれが無い。
全て自分の感覚だけを頼りに剣を振るっているため、アドバイスなんて出来ないのだ。
まあ、あえて言うなら、さっき相手した30人の護衛団員達はみな一様に弱かったということだけかな。
しかしそんなこと言えるはずもなく。
キラキラした目を向けてくる護衛団の団員達をどうにかかわすため、私が必死に頭を働かせている時だった。