特殊護衛団の最強姫
それから、1週間が経った。
王子様は2日前に留学先から帰って来たけれど、私は任務で少し遠くに行っていたため、会うのは今日が初めてだ。
留学先の学校ではトップの成績を修めていたって聞いたけど、どんな人なんだろう。
王子様の部屋へ向かいながら、私は珍しく緊張している。
粗相の無いようにしないと。
そうして気合を入れているうちに、大きな扉の前に着いた。
ここが王子様の部屋だ。
私は大きく深呼吸してから、扉を軽くノックする。
「失礼致します。特殊護衛団の者です。」
「....入れ。」
扉の奥から聞こえてきたのは、低いけれどよく通った心地いい声。
「失礼します。」
私は 大きな扉をゆっくりと開けた。
「....ッ...!」
そして、目を見開いたまま動けなくなってしまった。
中に居たのはこの世のものとは思えないほど美しい男の人。
こんなにかっこいい人、初めて見た。
どことなくロイド様に似ていて、この方がセシル様か、と心で呟く。
「...女?特殊護衛団と言ったか?」
王子様の声でハッと我に返り、私は急いで敬礼の形をとった。
「はい。特殊護衛団所属の騎士、リオと申します!」
「女で特殊護衛団か...にわかには信じ難いが、大したものだ。」
表情が全く変わらないから分からないけど、これは褒められてる...のかな?
「ありがとうございます!」
「で、何の用だ。」
王子様はチラリと私に視線を向け、冷たい声で問う。