特殊護衛団の最強姫


『あの子は、心を閉ざしているんだ。』



...なるほど。


ロイド様が言っていたのはこういう事か。


私を見る王子様の瞳は、暗く冷たい。



「本日より、王子様の専属護衛騎士を努めさせていただくことになりました。よろしくお願いします。」



私はそう言って、深く頭を下げた。


しかし、返ってきたのは衝撃の一言だった。



「専属護衛騎士、だと?いらん。下がれ。」



...は?


いま、なんて?


笑顔を作った口元をひくつかせながら、私はゆっくりと顔を上げる。



「女に護ってもらわずとも、自分の身くらい自分で守れる。早く下がれ。」



王子様は私の方を見ることもなく、そう言い捨てて書類仕事を始めてしまった。



な、なんだこの人...!


そんな言い方しなくてもいいでしょう!



「...貴方はこの王国の王子です。その命を狙う者は少なくありません。お言葉ですが、護衛は必要不可欠かと存じます。」



よし、落ち着け、落ち着け。


心の中でそう繰り返し、精一杯の平常心で反撃する私。



「だから、いらんと言っているだろ。女に護ってもらう趣味は無い。」



しかし、もう限界だった。



「あー、もう!さっきから聞いていれば女、女って!私は騎士です!王家を護ることが仕事なの!!」
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