特殊護衛団の最強姫
それから数日。
護衛騎士生活と言っても、一日中王子様の傍に居られるわけではなかった。
私はもともと、死ぬほど忙しい特殊護衛団の騎士であるため、そちらの任務にも行かなければならない。
最近の主な仕事は 護衛団では手に負えないような魔物の討伐。
ここのところ、街に現れる魔物の数が増えているのだ。
ルーカスさんも何かおかしいと言っていたし、妙に気になる。
何事もなければいいけど...。
そんなことを考えながら、王子様の部屋に到着した。
「護衛ありがとう。代わります。」
「はっ!任務お疲れ様です!」
私が任務に出ている間は別の騎士が王子様の護衛に着く。
そんなの嫌だから、私はこうして任務が終わればすぐに交代しに来るんだけどね。
急いで来たため少し乱れた息を整え、扉を数回ノックする。
「おはようございます!王子様、特殊護衛団のリオです。」
「...入れ。」
相変わらず心地のいい声だ。
「失礼致します!」
中に入れば、王子様は今日もたくさんの書類と向き合っていた。