特殊護衛団の最強姫
「王子様、おはようございます。リオです。」
....あれ?
ノックをした後、いつも通りの挨拶をするが、なぜか王子様からの返事が無い。
「王子様?どうかなさいましたか?」
少し待ってみても、やはり返事は無い。
おかしい。
いつもなら、もうとっくに返事をしてくれているのに。
「申し訳ありません、失礼します!」
何か嫌な予感がして、私は無許可で扉を開けた。
しかし。
「いない...!?」
いつも通りの綺麗な室内。
そこに王子様の姿は無く、なぜか窓が開け放たれていた。
まさか敵襲.....!?
ドクドクと鳴り出す心臓をおさえ、私は状況を把握するために部屋を見渡す。
すると、いつも王子様が使っている机の上に、一枚の紙が留められているのを見つけた。
『市井の様子を知るために、少し街へ出る。すぐに戻る。』
その瞬間、全身から一気に血の気が引いていくのを感じた。
王族の外出は、必ず護衛をつけなければならないため、簡単な申請が必要だ。
しかし王子様から申請があったなんて話は聞いていない。
つまり王子様は、1人で外に出ているということになる。