特殊護衛団の最強姫
「王子様ッッ....!!」
「...なんだ、随分と早かったな。しかしどうしてここが分かった?」
街の人でも知らないような、入り組んだ道を抜けた先。
私の読み通り、まるで秘密基地のようなその場所に王子様はいた。
「え!?お兄さん王子様なの!?」
「あの綺麗なお姉さんはだぁれ?」
「あの白い服かっこいいー!」
王子様の周りにはなぜかたくさんの子ども達がいて、突然現れた私を見て目をキラキラさせている。
しかし私はそれに構うことなく、王子様にズカズカと近づいて叫んだ。
「勝手に出歩いたらダメでしょう!!!!」
「....は?」
「は?じゃない!!!!」
背の高い王子様を、私は下からこれでもかと睨みつける。
傍で見ていた子供たちは「なんかあのお姉さんお母さんみたいだね」なんて囁いているけれど、無視だ無視。
第一私はそんな年齢じゃない!
王子様は呆気にとられたようにしばらく黙っていたけれど、絞り出すようにポツリと呟いた。