特殊護衛団の最強姫



「王子様ッッ....!!」


「...なんだ、随分と早かったな。しかしどうしてここが分かった?」



街の人でも知らないような、入り組んだ道を抜けた先。


私の読み通り、まるで秘密基地のようなその場所に王子様はいた。



「え!?お兄さん王子様なの!?」


「あの綺麗なお姉さんはだぁれ?」


「あの白い服かっこいいー!」



王子様の周りにはなぜかたくさんの子ども達がいて、突然現れた私を見て目をキラキラさせている。


しかし私はそれに構うことなく、王子様にズカズカと近づいて叫んだ。



「勝手に出歩いたらダメでしょう!!!!」


「....は?」


「は?じゃない!!!!」



背の高い王子様を、私は下からこれでもかと睨みつける。


傍で見ていた子供たちは「なんかあのお姉さんお母さんみたいだね」なんて囁いているけれど、無視だ無視。


第一私はそんな年齢じゃない!


王子様は呆気にとられたようにしばらく黙っていたけれど、絞り出すようにポツリと呟いた。

< 40 / 60 >

この作品をシェア

pagetop