特殊護衛団の最強姫
「....なぜだ?」
は、はあああ!?
なぜ!?
なんでそこで理由を聞くの!?
そもそも、理由なんてひとつしかないでしょ!
「心配するからに決まっています!!」
「誰が、誰の?」
「私が!あなたの!!」
なんだこの質疑応答。
わけも分からないまま全力で答える私に、王子様はフッと嘲笑をこぼす。
「戯言だな。申請もせずに外出した非は認めよう。だから、もう俺に構うな。...どうせお前も裏切るんだろ?」
冷たくて暗い寂しい瞳だ。
俺に構うな、なんて言っているくせに、私には助けてほしくて仕方が無いようにしか見えない。
戯言はどっちよ。
私はやれやれとため息をついて、王子様の目をしっかりと見据えた。
「バカですか?」
「...なに?」
「私の命は、貴方のものよ。貴方を裏切るなんて選択肢は元からありません。」
キッパリと言い切れば、王子様は心底驚いたように目を見開く。
私はニッと笑って、そのままその場で片膝をついた。
「だから、あまり心配させないで。我が主よ。」
「ッッッ...!!」
これは紛れもない私の本心だ。
王子様の息を呑む音が聞こえる。