特殊護衛団の最強姫
「...父上に頼まれて来たわけではないのか。」
「だからそう言ってるでしょ。私は私の意思でここに来ただけであって、ロイド様は関係な....」
そこまで言いかけて、私はある重大なことに気づいてしまった。
...まずい。
とんでもないことをしてしまった。
不自然に言葉を区切ってピタリと動きを止めた私を、訝しげに見つめる王子様。
「私、なにも言わずにお城を飛び出してきちゃった....!」
そう言って勢いよく立ち上がれば、王子様はしばらく私をじっと見つめて、突然吹き出した。
「ハハハハッ....!本当に変わったヤツだな、お前は。」
今までの冷たい雰囲気から一変して、無邪気に涙まで浮かべて笑う王子様。
笑いごとじゃないんですけど!
今頃お城では、いなくなった王子様を探すための特別部隊が編成されてるよ!
そう思ったけれど、王子様があまりに楽しげに笑うものだから、私も思わず笑ってしまった。