特殊護衛団の最強姫

しばらく歩いて着いたのは、大きな訓練場。


護衛団の人たちが普段から使っている場所だ。


様々な武器が所狭しと並べられている。


手入れも行き届いているようだ。


ちなみに、特殊護衛団の訓練場は別のところにあって、他の人は入ることができない。


この訓練場もかなりしっかりした設備が整えられているけれど、特殊護衛団の訓練場とは比べ物にならない。


まあ、特殊護衛団は王家直属なんだから当たり前と言えば当たり前なんだけど。


訓練場では、たくさんの屈強な男達がこちらに背を向けてビシッと整列している。


黒色の団服を身に纏う彼らは、護衛団の団員達だ。


見慣れたこの光景に、私は思わず嫌な顔をしてしまう。



「おい、そんな顔をするな。皆お前を待ってたんだぞ。」


「すいませーん。」



ルーカスさんのお叱りを受け、私は肩を竦めてみせる。


するとその時。


私達の会話が聞こえたのだろうか、列の最後尾にいた人がこちらに振り返って叫んだ。



「リ、リ、リ、リオ様ーーー!!」



辺りは一瞬シーンと静まり返る。


しかし次の瞬間、その声に続くように他の団員も振り返って声を上げた。



「え、リオ様!?」


「うわ本当だ!今日は来てくださったのか!」


「相変わらず美しい...!」



訓練場は一気に騒がしくなる。


ああもう!うるさい!めんどくさ!!
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