先輩、私だけに赤く染まって
中にいたのは当番が一緒の一組の二人。
それから、見慣れない人がカウンターに座っている。
本来ならそこは私と村田くんが仕事をする場所。
カウンターの前で不自然に足を止めた私に、その男の人が顔を上げた。
「あ、当番の子かな?はじめまして、副委員長の早瀬です。今日は代理で来たんだ」
物腰柔らかそうにそう言って微笑む。
確かに、稲毛先輩の隣にこんな人いたかも。
「杉野です。ありがとうございます、助かります」
村田くんが来れなくなった代わりに、早瀬先輩が来てくれたんだろう。
早速私もカウンターに座って溜まった仕事を進めていく。
遅く帰るのを覚悟していたのに、むしろいつもより大分早く終わってしまった。