先輩、私だけに赤く染まって

「そんなにアレ好きなの?」


分かってないなぁ。私はミルクティーが好きなんじゃなくて先輩がくれた物だから飲めないんだ。


ずっと机の上に置いて、毎日眺めている。


「先輩は甘いの嫌いそう」


「嫌いって程でもないよ。普通に食べる」


ブラックコーヒーとか、余裕な顔して飲んでそうなのに。


「じゃあ今度甘いの食べに行きたいです」


心臓はバクバクなのに、何でもない顔をして誘ってみる。


きっと上手いようにあしらわれるのが関の山。


半ば期待してはいない。


「うん、いいよ」


だけど先輩は私の誘いに乗ってくれた。


「え!本当ですか!?」


「何、冗談だったの?」


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