先輩、私だけに赤く染まって
「まさか無意識だなんて言わせないからね。散々俺に変なこと言ってきたじゃん」
その言葉に私の口はポカーンと開いた。
至って真面目に怒ってくる先輩は、とんでもない誤解をしている。
「そんなの、誰にでも言うわけないじゃないですか」
誰それ構わずあんな恥ずかしいことを言っていると思われていたのなら、ショック過ぎる。
そんなにビッチじゃないっての。
「先輩にしか言ってません」
先輩は口を噤んだ。
私は天然でも何でもない。
こんなドストレートなこと、何の躊躇いもなく言うことなんて出来ない。
だけど先輩の誤解を解く方が大事に決まってる。