先輩、私だけに赤く染まって
流石、副委員長。
「杉野さん、仕事速いね。今年初めてだよね?」
「そうですけど、全然先輩の方が凄かったです」
顔はパッとしないけど、早瀬先輩の話し方落ち着く。
杉野さんって、呼び捨てにしないところも好感度上がるな。
「早瀬先輩は去年も図書委員だったんですか?」
「うん、一年の頃から。もうベテランだよ」
そう言ってピースして歯を見せて笑った。
それに、心臓の鼓動が一瞬大きく鳴った。
そんな悪戯っ子みたいな顔で笑うんだ…。
「でも今日人多かったね。疲れたでしょ」
先輩は厚いレンズのメガネに手をかけた。
度が合ってないから疲れるんだよな、なんて言いながら外す。