先輩、私だけに赤く染まって
「うわ、絶対美味しいよコレ」
涼子は普段部活の為に出来るだけ甘いものは食べないようにしている。
でも本当はスイーツが大好きだったはずだ。
「半分こなら、セーフ…?」
我慢できないといった感じで、メニュー板と睨めっこしている。
「それいいね、半分こしようよ」
ここのパンケーキはクリームの量が尋常じゃなくて、タワーのように盛られている。
だから一人で食べるとなると中々苦しいのだ。
スイーツは別腹と言っても、限度がある。
私の誘いに、涼子はパッと顔を明るくする。
こんなの男子が見たら可愛すぎて悶えるだろうな。
店内に入ると、奥の席に案内された。
パンケーキと、それぞれ飲み物を注文して届くのを待つ。