先輩、私だけに赤く染まって
「君があんなこと言うから…」
あんなこと…?脳内でさっきまでしていた会話を逆戻りさせる。
もしかして、私が先輩のことカッコいいって言ったこと?
…何それ、ちょっと刺さる。
「で、でも!本当に思ったから…」
気付けば私の顔も火照ってきた。鏡を見なくたって赤くなっているのが分かる。
「だから言わなくていいってば。もうー、この話終わり!」
恥ずかしそうに私から視線を逸らして、メガネをかける。
きっと大人のあしらいをするんだろうなと思ってたのに、こんな照れるなんて聞いてないよ。
…先輩、可愛すぎる。
「もっと見たいです」
椅子を先輩の方に近付けて、手をメガネに差し出す。