先輩、私だけに赤く染まって

「私ね、涼子と友達になって前よりずっと強くなったと思う。だから大丈夫、和樹に勝ってくるから」


過去の私のように、必死に耐えるのは終わりだ。


あのときは本音でぶつかり合うことなんて出来なかった。


お互いに弱くて、真実や本当の心の内を知りたくなくて。


逃げた結果がこれ。


今更話し合ったとして何かが変わるのかなんて分からないけど、前に進むことは出来る。


「…分かった。ずっと穂乃果の味方だから」


心配そうな顔をしていた涼子も、最後には力強くそう言ってくれた。


丁度良いタイミングでパンケーキも運ばれてくる。


写真で見るよりずっとボリュームがあるそれに、半分こにして良かったと心から思った。


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