先輩、私だけに赤く染まって

自分でもこんな大胆に動けているのが信じられなかった。


勝手に体が動いてる。


もっと先輩と話したいって。


「ちょっ、杉野さん。ダメだよほら帰るよ」


私の精一杯の行動も、今度は軽くあしらわれる。


立ち上がった先輩に続いて私もバックを手に取る。


図書室にはもう誰もいなかった。


いつの間にか一組の人も帰ってたんだ。全然気付かなかった。


先にスタスタと歩いて行った先輩は、扉の前で立ってこちらを見ている。


…一緒に帰るってこと?


扉を開けて先に私を通してくれた先輩は、私の隣を歩きはじめた。


さっきまでの軽い雰囲気じゃない。


何故か凄く緊張する。


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