先輩、私だけに赤く染まって

和樹の後ろ姿は、中学のときに見ていたものとは別人のようだった。


あのときよりも背が高く、ガッシリして見える。


私たちの間には、それだけ変化を感じるほどの空白の時間がある。


ファミレスは夕方のこの時間だけどチラホラとお客はいるようだった。


ドリンクだけを頼んで、届くのを待ってから和樹が口を開く。


楽しげな雰囲気の店内と違って、私たちの空気のなんと重いことか。


「香織から全部聞いた。俺ずっと勘違いしてた。本当にごめん」


和樹の頭がテーブルにつきそうなくらい下げられる。


ファミレスで男が女に頭を下げているなんて、側から見たら異様な光景だろうな。


「…香織と別れたの?」


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