先輩、私だけに赤く染まって
縮こまりながら私は静かに席に座った。
「でもさ、私から見ても早瀬先輩は穂乃果のこと気に入ってると思うよ」
後ろから涼子が小声で話しかけてくる。
返事をしようとしたけど、先生がしっかりと私をマークしていたから振り返ることが出来なかった。
そりゃあ、私だって嫌われてはいないと思う。
自惚れでなければ大分仲良くなったとさえ思っている。
だけど大事なのはどういう仲の良さなのか、だ。
私は先輩が好きだから恋愛的な意味での進展を望むけど、
先輩が私を妹のように思っているんだとしたらいくら仲が良くたってしょうがない。
…私をこんなに悩ますなんて、あの天然たらしめ。