先輩、私だけに赤く染まって

いつまで経っても解決しない思いを抱えたまま、ようやく昼休み。


お母さんの美味しいお弁当でも食べれば少しは気が紛れるだろう。


みんなの楽しそうな会話が、今の私には程よいバックミュージックになっていた。


「今日、当番の日?」


向かい合ってお弁当をつついていた涼子が話しかける。


もうすぐ県大会がある涼子は毎日の走り込みで、肌が小麦色になったように見える。


「そうだよ」


「私、部活早く終わるからその後何か食べに行かない?」


涼子の誘いに私は二つ返事でOKする。


こんなに早く次の遊びの約束が出来ると思っていなかったから凄く嬉しい。


私には部活のことはよく分からないけど、きっとプレッシャーもあるんだろう。


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